世界で一番ソラに恋した。
岳君とソラ君は学校でも会わないようにお互いが気を付けている感じだ。
母親は違うのに兄弟である間柄だけれど、憎んだり傷つけあうのは違うって気づいたんだと思う。
今までの擦れ違いが、それだけではなかなか上手くいかないようだったけれし、彼が言った言葉は簡単に許せるようなものじゃない。
でも彼も傷付いていたのだから、もうこれ以上お互いが傷付くだけの行為はイsて欲しくないし。
『ごめんね、アンタだけ悪者みたいにしちゃって』
奈菜が二学期に入ってすぐに、皆の居る前で岳君に暴言を謝罪した。
『王子様みたいに格好良いけど、私はもっと情熱的で熱血で、照れ屋で努力家な人がすきなの。アンタも、優等生ばっかじゃ疲れちゃうから背筋をピンって伸ばしまくりより、たまには息抜きしなよ。勿体ないよ』
岳君は小さく頷いただけだったけれど、後でありがとうと奈菜にメッセージが届いたらしい。
『凛と咲く一輪の薔薇みたいで、奈菜を欲しいと思った』と言ってたらしく――奈菜は爆笑していたけどまんざらでもなさそうだった。
久保先輩が内心は穏やかでは無かったらしいけれど。