世界で一番ソラに恋した。
「男の子って俺?」

ソラ君が自分を指差して、ちょっとだけ固まる。
私が目も合わせられずに頷くと、くくっと笑った。

「そんな事、気にしてるの? なんか、本当に雨笠って可愛いのな」

「わ、笑わないで、私には大問題なんだからね! 花火大会前は、噂がぶわーーーーって広がるんだよ、本当だよ!」

「わはは、分かった。分かったから、乗って」

「分かってない! 分かってたら乗ってとか言わないもん」

「大丈夫。俺が背中で隠してやるからさ」

そう言って、さっさと私の自転車に乗ってしまった。

酷い……。
しかも、私の自転車じゃ、座る位置が低すぎて、ソラ君の長い脚が折り曲げられてる。
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