世界で一番ソラに恋した。



「そんな余裕ぶってたら、夏休みから塾に入れるからね」
「そーだそーだ」
ほくほくのハンバーグを食べながら、援護射撃したら、サラダの上の生ハムを奪われ舌まで出されてしまった。

「ちょっと! 灰人!」
「さーて風呂入ってこよっと」

本当に可愛げがない。
誰に似たやら。
これ以上、私の栄養を奪わないでほしいのに。

「貴方もよ。そろそろ花火大会ぐらい、誰か行く男友達ぐらいいないの?」
「……」

周りも弟も、母親さえもこの季節は浮足立ってしまうらしい。


花火大会よりも今は、奪われた秘密の鍵の方が心配です。
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