世界で一番ソラに恋した。
(ぎゃああああああああ)
「うわっ 紙パック零れる!」
奈菜が私がストローを刺す手前で止めていた紙パックを両手で囲むように持った。
「もう、何をしてるのよ、あゆったら」
だって今、あの人、超恥ずかしくなるような自然な感じで私の名前を!
怖い。
イケメングループのソラ君だもん。
スマートに女心を刺激してくる。
危なかった。
自然に私の心の中に入ろうとしてくるなんて、ちょっと怖い!
「も、もういいからさっさとご飯食べて、五限の漢字テストの勉強しよう!」
「隣と交換ってあたりが嫌よね、アレ」
「よーし、私より成績が悪かったら吐いてもらうわよ、奈菜」
「はいはいはい」
バクバクしていた心臓がちょっとずつ収まって行ったけれど、私はもう窓際に座るソラ君を、見ることなんて出来なかった。