世界で一番ソラに恋した。
一旦、端に置いていたカバンを取りに戻ると、カバンからBIGチョコを取りだした。
「それは」
「俺の大好きなチョコのお菓子。要る?」
「えええ? いいの?」
まさかこんな巨大な男の子から、甘いお菓子が出てくるとは思わなかった。
すっかり警戒していた心が吹き飛んでしまい、気づけば私はサクサクとチョコに被り付いていた。
「安いから中はカスカスなんだけど、めっちゃ食べた気分になるんだよなあ、このお菓子」
「分かる。美味しいよね」
「ソレ、分かってるの?」
ぷっと笑うと、ソラ君は顔を上げて空を見上げた。
「複雑だから簡単に言うとさ、顔も見たくない声も聞きたくない、名前も見かけたくない奴がいて」
「!?」
爽やか少年から、いきなり超ダークな発言を言われて飛び上がってしまう。
こんなに優しく笑う人でも、嫌いな人が居るんだ。
「そいつを学校で見かけると、気分が落ちちゃうから保健室に行くんだ。あいつらも心配するし、険悪になったら駄目かなって思うし」