世界で一番ソラに恋した。


「か、可愛くない!アレは別に可愛くなくていいの、おまじないだし、本当に二ミリ伸びる大事な儀式だし」
「そう? じゃあ今日もするの?」
「したいのにソラ君がいるからできないの!」

サクサクとすべて食べ終わり、ゴミをポケットに入れると立ち上がる。

「奈菜も気にするなって言われるけど、可愛い靴も服も少ないし、周りには子供っぽく扱われるし――同じ目線で皆と話したいのにトキドキ凄く周りの置いて行かれる気がするの」


勿論、自分の気のせいなのだと分かってる。
そんなことないんだって分かってるけど、でも、苦しい。
一緒にいるのに、疎外感を感じて泣きたくなる。

「此処の鍵を貸してくれたのは、保険の玉ちゃんだよ。奈菜がお団子の髪の仕方を教えてくれたし、ちょっとずつ頑張ろうって思う。だから、此処は誰も入れない秘密の場所だから、――ソラ君に勝手に見られてすごく悲しい」

気を許したわけでもない人に、いきなり見られて私の心が乱れない訳はない。

「……屋上に俺みたいに入りたいって思う人が居ると思わなかったんだ。ごめんな?」
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