世界で一番ソラに恋した。
へらっと笑うと、皆が一斉に頭を撫でだした。

「アンタはどいつも背が高いって背しか見てないじゃない」
「よしよし。アンタに釣り合う身長の男が現れるといいよね」
「あゆには少し早い話だったかな」

「ちょっと! 皆、馬鹿にし過ぎだからね!」

私が頭をブンブン振って、皆の手を振り払うとドッと笑われてしまった。

もう。

別に興味が無い訳じゃないんだよ。

ただ、私みたいに背が小さい女の子なんて恋愛対象外だと思う。

「あ、バイトの時間になっちゃう。あゆは?」
「私も用があるから帰ろう」

奈菜がカバンに課題を仕舞いだしたので追いかけるようにカバンに教科書を片づける。

「じゃあね、皆も頑張ってね」
「明日答え合わせしようね」

皆に手を振ると、奈菜と一緒に廊下へ飛び出す。
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