世界で一番ソラに恋した。


「どうしたの?」

「二度とあんな奴と話さない方がいい」


いつもの、お日さまの下、ぽとりと落ちた空みたいなソラ君じゃない。
知らない表情をする冷たく低い声のソラ君だった。


「こ、わいよ。本当にどうしたの?」

慌てて落としたパンを拾いながら、どうしたの?しか言えない自分が情けないとか思うけど、怖かった。

怖くてパンを拾ったまま、顔をあげられない。

「俺がこんな事、考えてない能天気な奴に見えた?」
「能天気には見えないけど、人の悪口とか言ったこと見たこと無かったし、その、さっき、――お腹が鳴った冤罪をかぶってくれたのに、なのに、……何があったのかなって」

「……」

沈黙が続くと益々顔を上げられなくなってしまった。

何か、きっと苛々することがあったのだと思うけど、でもそれって、――私が原因なの?

「おい、ソラ」

重たい沈黙を壊してくれたのは、ソラ君を呼ぶ声だ。

「勝手に何処に行くんだよ。まだ内容も伝えてないのにって」

その声の持ち主は、私を見ると目を見開いた。

なんなの今日は。
私は今日の占いで、アンラッキーアイテムで出てたのかと疑ってしまう。
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