世界で一番ソラに恋した。
「字、上手いね。流れるような、大人っぽい字だ」
「そう? 窓の外ばっか見てるからノートの字なんかあんま気にしてないんだけど」
「嘘だあ。私の字と違って読みやすいよ。誰も私のノートは借りないんだから」
「ふうん。見せてよ」
「嫌よっ」
ポンポンと弾む会話と、いつの通りのソラ君の笑顔。
良かった、やっぱり私は聞くのは止めようって思う。
ソラ君がもし、言いたくなったら今日の件は聞こう、そう思う。
ソレがソラ君を守る一番の方法じゃないのかなって。
「ぷぷぷ。先生の似顔絵、超上手だね」
「げっ そんなのまで見るなよ」
「でも、上手くかけたから消せなかったんでしょ」
ミニキャラ化した先生たちの顔は、特徴的な部分の鼻だったり目だったりを大げさに表していて面白かった。
ちょっぴり悪意があるようにも見えたけれど。
「それより、今日は儀式しなくていいのかよ」
「する! あーあ、しにくくなったなあ。するけど」