世界で一番ソラに恋した。

「もう入ってないよ?」
「ん。それより、手」


手のひらを差し出してきたソラ君に、首を傾げつつも、ストローで底を吸い上げつつ私の掌を見せた。

すると、ソラ君の方から手を合わせてきてくれて。

私の手は、ソラ君の指の第一関節に到達するかしないかの、まるで大人と子供みたいな差の、愕然とした。

「手、大きすぎ!」
「そう? あゆは小さくて簡単に包んであげれそうだね」

合わせていた手のひらを、ソラ君の大きな手が捉えて、――そのまま握った。


握られたら、すっぽりと私の手は見えなくなってしまった。

「ソラ、君」

優しく掴まれて、思わず視線を泳がしてしまう。

「離したくないな、あゆの手、冷たくて気持ちがいい」

「お、おかしいから。離してよー」

至近距離で、屈んで、囁くように離したくないって言われたら――なんだか頬が熱くなって来る。

恥ずかしい。
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