世界で一番ソラに恋した。
「うーわー、気になる。誰か挑戦してみろよー」
そわそわとするソラ君と私の前に、お代わりのナンを持って来た奈菜が笑顔でお皿に乗せていく。
「ねえ、ソラ。久保先輩からLINEの返事がスタンプばっかなんだけど」
「え、やりとりしてんの?」
久保先輩――?
それって、サッカー部のキャプテンの事かな?
「受験生だからって遠慮してたら始まるものも始まらないしぃ。でもスタンプばっかって本当に私に興味無いのかしら。むかつく」
「奈菜、えっと、その人の事が?」
ナンを半分に千切りながらそう聞くと、奈菜は観念したように大きく頷いた。
それと同時に半分に千切ったナンから、バターの香ばしい香りがして、私は食べる方に集中した。
「花火大会、他の人の誘われてるけど――久保先輩には関係ありませんよね。って送信してブロックしてやろうかな」
「わわわわ。ブロックとか早まらないでーー」
「駆け引きよ。久保先輩は情熱真っ直ぐな感じだから、駆け引きとかしたくなかったんだけど。私もはっきり諦めれられて他にも目が行くかもだし?」