世界で一番ソラに恋した。


そう言って、バイト中なのにスマホを取り出すとメッセージを打ち出した。
奈菜も、直行型だと思う。
でも、でも、キャプテンさんは受験生だから奈菜に思いを告げられないだけで、本当は両思いなんだよね!!?
わわわわ。このまま奈菜が脈がないって思って諦めちゃうパターンもあるってこと?

「奈菜、待って――」


「じゃあ、四人で行こうよ、花火大会」


私が奈菜を説得する前に、ソラ君が口を開いた。


「花火大会、行こう? 俺とあゆ、先輩と奈菜で」

「ええええ!?」
「いいね。上手く誘ってくれるの?」
「まあね。任せてよ」

二人がにやりと笑う中、私だけが目を見開いてスプーンからカレーをポタポタ落としているだけだった。

や、でも花火大会?


「着物姿が見たいな、あゆ」


ソラ君がこっちを見て、わざわざテーブルに突っ伏すようにして私を見上げている。

そんなおねだりされてもっ


「浴衣買おうね、あゆ」

奈菜は既に超乗り気だ。
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