世界で一番ソラに恋した。


「奈菜、ちょっと、奈菜ってば、そんなのあれだからね、困るって言うか、その」

「良いじゃん。ってか、ソラを私のバイト先に連れてくる時点で気に入ってるんでしょ? 別にいいじゃんか」

「でもでもでも、私、奈菜とか皆としか花火行ったことないし」

「――何を照れてるのよ」
「本当にあゆは可愛いな」
「ね、可愛いよね」

「ソラ君! 奈菜!」

二人は完全に私をからかうモードだ。

ううう。四人で花火大会ッて勿論わくわくしないわけじゃないけれど、
楽しみだけど、

でも、でも、浴衣で待ち合わせる自分を想像しただけで恥ずかしいんだもの!


「いいじゃん。俺、すっげー楽しみだよ?」
「ううう、そう言われると私も楽しみだと白状します」

降参すると、ソラ君が子供の様な屈託のない笑顔で笑った。

――そんな顔見たら、どんなことでも嫌って言えなくなりそう。

不思議な中毒がある。ソラ君の笑顔って。
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