世界で一番ソラに恋した。
あんなにナンをお代わりしていたのに、電話中にソラ君がハンバーグを注文してて、ジュージューと焼ける音が聞こえてきたから私も少しだけお腹が空いた。
ソラ君は大人っぽいから、きっと私服でもファミレスでは年齢確認されないんだろうな。
手足もすらりとして長いし、身長も高いから。
「ううー。ソラ君、もう眠い」
『うわ。付き合わせてごめん。おやすみ』
眠る前のまどろむ意識の中、ソラ君の声が最後に聞こえたのは幸せだった。
男の子とこんな風に長電話したこともなかったし、こんなにドキドキすることってなかった。
電話って相手の表情が分からないから余計にドキドキしちゃうんだ。
眠ろうとした私は、写メを忘れていたことに気づいて、最後の力を振り絞って送信すると眠ってしまった。
眠った先に見る空は、蒼く澄んだ空では無くて――夕焼けみたいに朱色だった。