世界で一番ソラに恋した。
四、曇り空
テスト前の10分今日休憩は、廊下で皆、教科書やノートを開いて醜く足掻く。
教室内のロッカーには何も持ち込めないので、廊下のロッカーに全て移動する為にテスト時は、廊下はすし詰め状態だ。
「この問題は絶対出るって言ってたけど、理解は出来なかったから丸暗記するんだ!」
「あはは。分かる」
そんな事を言いつつも、奈菜は教科書を団扇代わりにパタパタしているから余裕がある。
テスト一日目は、何だか気が重い。
ピリピリした空気が漂うのも嫌だった。
――でも、先週一週間はソラ君といっぱい勉強したから結構自信はある。
皆は勉強してない、やばいと騒いでいるけれど、今回はもしかしたら真ん中ぐらいにはいけそう。
「あゆ、どうだ」
「ソラ君。うん。初めての実践って感じでドキドキしてるよ」