世界で一番ソラに恋した。


つーんとそっぽを向いたままのソラ君に、私もむっかーと来たけど正直に言わせてもらう。


「ソラ君が教えてくれた教科なのに、――私はソラ君に教えて貰えたから自信があったのに、ここの時間を無駄だったみたいな、否定的なことを言うから」


「……」

言いながら、段々寂しくて涙が溢れて来そうになったけれど、――でも、仕方ない。

何も言ってこないってことは、昨日無視した私が許せないんだから私だって引けない。


なんだか悲しくなって、そのままカバンを掴むとドアまで走り出した。

このまま、ソラ君との屋上の日々が終わってしまうって思っても逃げ出すしか思い浮かばない。

「ごめん、――泣くなよ」



開けようとしたドアは、ドアノブを回してもびくともしなくて。

恐る恐る開けた目からは、ドアを押さえているソラ君の手が見えた。


「いつも笑顔のあゆが無視するから焦ったんだ。なのに、けろっとして――でも俺が悪かった。泣くなよ」

「泣いてないもん」
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