世界で一番ソラに恋した。

いつの間にか鼻がつーんとしていて、私の意思とは関係なく涙が流れていた。


「わ、私もソラ君から勉強教わったから頑張ろうって思って、気持ちに余裕がなかったかもしれない。ごめんね」


「……馬鹿だな、あゆは」

馬鹿って、人が謝っているのに、馬鹿って何だ、馬鹿って。

馬鹿馬鹿と頭の中で連呼されて、顔を上げた。

「馬鹿じゃなーー」


い、と言おうとした唇は、屈んだソラ君の唇に塞がれた。

大きい身体のソラ君が、私の為に屈んでくれたその姿を目に焼き付けながら――

お互いの唇が熱い夏の日差しの下一つになった。


「????」

「ぷ。泣きやんだと思ったら、次は真っ赤」

クスクスと笑うソラ君は、ちょっとだけ照れたような顔で頬をポリポリと掻いている。

「な、なんで」
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