世界で一番ソラに恋した。
なんで、なんで、なんで?

なんで、今私とソラ君、キスしたの?


「何でってあゆが可愛かったから。一生懸命話してくれるから、つい」

つい、じゃないよ。

「は、初めてだった……」

「ん。二人乗りでさえ緊張するぐらいだからな、初めてだろうな」

「初めてッて、もっと、大切にしたかった。不意打ちとか、酷い。心の準備とか、嘘」

へなへなと腰が抜けた私を、ソラ君が見下ろす。

なんだか、頭がパニックで、また涙が滲んできた。


「俺じゃ、嫌だった?」



泣きそうな、縋る様な顔で言わないで。
そんな顔で言うなんてズルイ。

「ソラ君は、ズルイ。私は待ってるのに、言ってくれるの待っているのに、言葉より先にこんな」

嫌なはずない。心もほっぺも熱くて、真っ赤で、嬉しくて弾けてしまいそうな。

ああ、私、ソラ君が好き。


もやもやと隠していた気持ちがクリアになった。


晴れ渡った青空みたいに。
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