世界で一番ソラに恋した。



「違うよ。でも、ソラ君に身長を伸ばす儀式見られちゃって。で、屋上で毎日、勉強見て貰ったり秘密基地作ってたから、私、私――」

その言葉を言う前に、更に飲み込んでいた言葉を吐きださなければいけなかった。

「私、身長が小さいってだけで、コンプレックスの塊で、だから自分が誰かを好きになるなんて思わなかった。だって、ソラ君は私の苦手な、長身の男の子だし」

「でも、毎日会ってたら好きになった、と」


――好きになった。

言葉にすると、ずっとずっと見ないふり、気づいていないふりしていたその言葉が――心の中で、インクを落としたように、ぽとりと広がっていく。


「好き。好き、なんだと思う。だった胸が、ソラ君の気持ちへ溢れかえってて苦しいもん」

「でも、酷い言葉を言ったって、何? 私に懺悔を聞いてもらったらちょっとは楽になる?」
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