甘く大切な君だけの王子でいたい

軽く思ったけど
忙しくて電話する気力は微塵にも残ってなかった。


柚子の携帯には蓮さんからの着信がずらりと並んでいた。


「美山、どこに電話？」

「柚子が・・・・・変な男に絡まれてないかと」

「星野から連絡入ってるが、今んとこ大丈夫だ」

「星野？もボランティアか？」

柚子なんにも言わなかったが

「美山、星野はクラスメートだ、ただそれだけの関係、美山の柚子ちゃんに対する態度でどうなるかは、知らんが、柚子ちゃん 旅行に行きたかったんじゃなかったのか？」


「あぁ・・・・・」

「今まで家族がいなかった分、美山が大切に柚子ちゃん扱わないと、柚子ちゃん、逃げる」