彼女がメガネをはずしたら
学年一の美女と、
学年一の地味女。
まあ、確かにはたから見れば一緒にいるにはおかしな組み合わせだよね。
それでも、バカにされたのは気に食わないけど。
「美代」
苛立ちを抑えようとがんばっていると、愛音があたしの名前を呼んだ。
「席は好きに座っていいみたい。人ごみ嫌いだし、あそこに座らない?」
愛音の指さす方向を見ると、そこは窓際の一番後ろの席。
あたしの一番好きな席じゃん!
「いいよ」
うなずき窓際の席へ、愛音と前後に座る。
隣の席はまだ空席だ。
このまま空席だったらいいなあ、なんて考えていたら、担任の先生が教室に入ってきた。
「ホームルーム始めるぞー」
お、ラッキー!
森崎先生じゃん。
森崎先生は、歳のわりにはけっこうかっこよくて、女子生徒からの人気が高い。
1年生のときの担任は小うるさいじじいだったから、今年はついてるかも。
「春休み気分はちゃんと置いてきたか?出席とるぞ」
「ねえ、愛音」