彼女がメガネをはずしたら
あのお、
気のせいですかね。
今ものすごく失礼な単語か聞こえてきたんですけど。
「・・・ブフッ」
誰かの噴き出す声。
「舜、それ超ナイスなネーミング」
速水くんの前に座っている、沖田理人。
口元をおさえながら、茶髪頭がクルリとこちらを振り返る。
おい。ナイスなネーミングってなんだよ。
「ちょっと、昭和女ってなによ」
隣の速水くんを思わず睨む。
だって、いくらかっこいいとはいえ、非常識にもほどがあるもん。
・・・・・・前の席の茶髪頭もな。
あたしの言葉に、速水くんの口角が上がる。
「えー、だってあんたの見た目、いかにも昭和ですって感じじゃん」