彼女がメガネをはずしたら
少々、驚いたような茶髪男に問いかける速水。
「ほら、有名だったじゃん。寿愛音だよ。
学校で一番美人ってうわさの」
「へえ、そうなんだ」
へえ、はこっちのセリフ。
愛音のことを知らない人なんていたんだ。
てっきりこの学校の男子はみんな知っているものだと思っていた。
まあ、あたしもこいつらのこと、今日までは知らなかったけどね。
「舜、知らなかったのか?」
「いつも学校ではお前といるし、他人のうわさなんて知らねえよ」
愛音を前に特に興味を示さない速水にあたしは驚く。