彼女がメガネをはずしたら
と、本題はここから。
「それでさ、理人。ちょっと手伝ってほしいんだよ」
「なんだよ」
「オレの知り合いがたまたま塾の帰りでその事件現場の近くを通ったらしくて。
それで見たっていうんだ。
バタバタと走り去っていく人影」
「そいつ犯人かもしれねえな」
「オレもそう思う。でも・・・その人影、女だったらしいんだよな」
「女!?」
「髪の長い女。しかも、この学校の制服」
「おいおい、まじかよ」
理人が前髪をかきあげる。
だが、再びすぐに口を開いた。
「女ひとりで、朝熊のやつらに勝てるわけねえじゃん」