彼女がメガネをはずしたら



その場に凛として響いた、愛音の声。


「え……愛音ちゃん?」


戸惑う茶髪男に、愛音は制服のポケットからあるものを取り出した。


それは……防犯ブザー。


不審者が現れたとき、ひものようなものを引っ張ると大きな音が鳴るという、いわば防犯対策のようなものだ。


愛音、持ってたんだ!?


てか防犯ブザーとか、見たの小学校以来なんですけど。


「それ、防犯ブザーとかいうものですか?」


「そうよ」


加奈子ちゃんの問いかけに愛音がうなずく。




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