嫉妬深い狼と同棲生活?!
「ハタ!おはよ!」
「おぉユカリ!おはよ!」
それからは俺の得意の友達作りの力を発揮して
"親友"のイスにまで上り詰めた。
名前は呼び捨て。
俺が肩組んでも抵抗なし。
昼食もたまに一緒に食べる。
「なぁユカリ、小林。今日ご飯食べ行かへんー?」
「行くー!!」
「いいよ。」
ほれ見ろやこの食いつきっぷり。
これ俺…いけるんとちゃう?
…なーんて
浮かれ放題の俺には
まだあの大きな"壁"を見つけていなかった。
「…え?」
その日深い話を3人でしてる時に
俺が聞いてしまったその言葉。
「好きな人がいてね…。
私、その人と同居してるの。」
---は?同居?
俺はその言葉に
目の前が真っ暗になった。
同居?
何やねん、彼氏おったん?
しかも…同棲?はは…嘘やろ?
「濱崎さんって言う大学2年生の人なんだけど
最近一緒に住むことになってね?」
なんて照れ臭そうに話すユカリ。
大学2年って…年上?
年上の男と同棲しとるん?
(とりあえず彼氏ではないんか…。)
それだけが唯一の救いやった。
そこから俺は少し
心配に見せかけた言葉をかける。
「でも年上の男と同居なんて危ないやろ。いつ襲われてもおかしくないんやで?」
どんな男かもまだ分からへんし
2人きりで同居なんてそんな危なすぎる
そう言うと
ユカリは笑いながら大丈夫だよ、という。
「だって濱崎さん私のこと妹と同じ扱いみたいだし。
それに、濱崎さんは見た目は厳ついけど
優しくていい人だもん。」
心配いらないよ
と笑うユカリ。
何やねん
そんな信頼しとる相手なんか?
(…で、でも年上やし?
相手大学2年やろ?)
高校生なんて子供扱いやろ。
そんな恋愛対象になんて…
しかも、一応親戚の知り合いみたいやし?
…簡単に手なんて出せへんやろ。
そんな軽い考えで
俺はユカリの相談にちゃんと乗ってあげてた。
現実にならん恋やって
きっとどっかで思ってくれるはず。
気づくやろ。
そう思ってた。