嫉妬深い狼と同棲生活?!
もやもやしたまま
気がつけば次の日。
帰りの時間が近づいていて
空港で私はボケーっと立っていた。
「…ちょ、ユカリ!起きて!」
「っ、え?!何?!」
「何じゃない。さっきから意識飛んでるけど大丈夫なの?」
もうすぐ飛行機乗るんだよ?
何て言いながらさっちゃんが首を傾ける。
あ…ごめん、そっかもう帰るんだ…。
(………。)
何だか今は
家に帰りたくない…なぁ…。
歩き出したクラスの列に
ゆらゆらとついて行きながら
そんなことを考えていると
後ろからガシッと腕を掴まれて
そのまま後ろに引かれる。
「え、ユカリ……っ!」
「な、何…誰です---」
誰ですか
と言う前に
その張本人を見て
私は目を見開く。
------ズキッ
「は、ハタ……?」
「いいから、後ろ行くぞ。」
「え、待ってちょっと何で…?!」
ハタは私の言葉になんて耳を貸さず
そのままクラスの最後尾にやってくる。
このまま一緒に検査を通って
飛行機に入ってしまえば
自動的に詰める形式になった飛行機の中で…
ハタと隣、になってしまう。
(だ、ダメだよそんなの…!!)
お互いそんなことダメだと思ってるはずなのに
ハタは何を考えてるのか
私には全く分からず
そのまま強制的に後ろにされたままで…。
「………。」
「………。」
お互い無言のまま、着席。
もちろん席は隣。
さっちゃんはもっと前にいて
どこの席にいるのかすら確認できない。
斎藤くんでさえ行方知れず。
(何で…。)
何でこんなタイミングで
こんなことが起こるのよ…。