嫉妬深い狼と同棲生活?!
-----『それでは各自解散してもらって
寄り道せずに自宅へ…』
先生のその言葉で
本当に修学旅行が幕を閉じた。
流されてきた自分の荷物を持って
出口へと向かう。
「…ユカリ、気をつけてな。」
荷物を持ってたまたま一緒に出たハタが
私にそう言う。
私は小さく笑って頷いて
そのまま空港内を歩き進む。
飛行機を降りてすぐに
機内モードを外した携帯に連絡が来ていた。
もちろん、圭斗から。
"7番ゲートの前にいる。"
言われた通りに
その7番ゲートの方へ向かう。
人の多さに邪魔されながらも
私は視線の先に
その姿を見つける。
(--------こうやって)
すぐに見つけてしまうほど
彼にのめり込んでしまった自分の心が---痛い。
「…ユカリ…!」
「…圭斗。」
目の前に行けば
圭斗は嬉しそうに目を細めながら立ち上がって
私を優しく抱き締める。
「…4日って、なげぇな。」
「うん…。」
「…早く会いたかった。」
-------チュッ
そう言って私のおでこにキスを落とす圭斗。
いつもならドキッとするのに
今日はただ心が嫌な音を立てて
傷つくだけだった。
…その様子に変だと思ったのか
圭斗が私に尋ねる。
「…どうかしたか?」
「あ…ううん。ちょっと疲れちゃって。」
ごめん、と言えば
圭斗は納得したように そうか と言って
私の荷物を代わりに持ってくれた。
そしてそのまま駐車場へ向かう。
「あ、今日連れいるから。」
圭斗がエレベーターで駐車場のフロアに着いたと同時に
思い出したように私に告げた。
-------連れ?
(……ま、さか…。)
嫌な予感が背中を走った。
昨日の電話の声が
頭に蘇ってきて
何度もリピートされる。
そして私が
誰?と聞く前に
そして
車の前に着く前に
圭斗の車から
ガチャッと音を立てて
-----女の人が 車から降りてきた。