嫉妬深い狼と同棲生活?!
それから1時間して
昨日来た空港に到着。
ちょうど時刻は
ここを発つ1時間前。
「じゃあ手続き済ませてくるねー。」
と言って荷物を持って案内口に向かって行ったアリサさん。
私と圭斗は近くの椅子に座りながら
アリサさんが帰ってくるのを待つ。
「本当、昨日はアリサが悪かったな。」
「あ…うん。」
「本当…冗談でもあれはキツイ。」
そう言って圭斗は前かがみに座りながら
真剣に私に話す。
「ユカリと別れるなんて
俺には考えられねぇから。」
「…圭斗。」
私も圭斗に向かって
ちゃんと真剣な声で 返して言った。
「私も…ずっと圭斗と一緒がいい。」
「…ユカリ…。」
圭斗の瞳が一瞬揺れて
嬉しそうに微笑んだ。
「…後で言いたいことがある。」
「うん、わかった。」
そう言って頷くと同時に
向こうから終わったよー!と歩いてくるアリサさんの姿が見えた。
「じゃあもう、中に入るから。
迷惑かけてごめんね。
短い間お世話になりました!」
「え、もう行っちゃうんですか?」
まだ少し時間があるのに…。
「うん。だからここでバイバイ。」
「…そうですか…。」
「ふふっ、そんな顔しなくても
また会えるから!絶対!ね?圭ちゃん?」
そう言いながらニヤニヤと圭斗を見るアリサさん。
しーっ!と圭斗がアリサさんに向かって指示をする。
アリサさんはまたふふっと笑って
私をギュッと抱きしめて
「じゃあまたね、ユカちゃん。」
圭ちゃんも元気でね
そう言ってアリサさんはゲートの方へ向かい
手を振りながらやがて
中へと消えて行ってしまった。
(…何か、寂しくなるなぁ。)
私も
お姉ちゃんが出来たみたいで
楽しかったんだけどなぁ…。
なんて
少し名残惜しさを持ちながら
アリサさんが入って行ったゲートを
見つめ続けていた。
「…ユカリ。こっち向いて。」
「ん…?」
そう言って圭斗を見れば
圭斗は着ていたジャケットの
胸ポケットから
小さな箱を取り出す。
(あ…これ…。)
きっとアリサさんが言ってた
"プレゼント"のことだ…。
圭斗はその箱を持ちながら
私の方へ1歩前に進み
その箱を開ける。
「---------!!え、圭斗、これ…!?」
私は開かれた箱から見えた
その中身に 目を見開く。
「…ユカリ。
高校卒業したら…
俺と結婚して欲しい。」
そう言って圭斗は
箱から指輪を取り出して
驚いている私の手を
そっと取った。
そして指に
その指輪を…通す。
「まだ本物は本番まで取っておくけど
卒業したら…すぐに本物買う。」
だからそれまで
これ付けててくれないか?
そう言った圭斗を見上げれば
(っ……!!)
その瞳は真剣で
愛おしそうな…熱い視線で
私を見下ろしていた。
「っ…はい…!」
私が返事をすると
圭斗は嬉しそうに優しく微笑み
そのままギュッと私を抱きしめた。
「…愛してる…。」
「っ…私も…。」
互いにそう言って
少し体を離し…そのまま キスをした。