嫉妬深い狼と同棲生活?!








「ただいまー。……ユカリー?」







ある日。




バイトから帰ってきて家に入ると

珍しくユカリの出迎えが無くて
俺は不思議に思った。





…寝てんのか?あいつ。






まだ9時過ぎなのに疲れているのかと思い

俺は少し心配になって
リビングに向けて足を進める。





───すると








「---私も好きですよ。」

「?!」







リビングに入る直前



ユカリのそんな声が聞こえてきて
俺は部屋の扉を開ける手が止まった。





……え?好きって…








(電話……?一体誰に……?)







それに、今の言葉は───?





そんな疑問が胸の中に広がって

俺はドクドクと心臓を鳴らせる。








「---ふふっ、はい。大好きです。」

「っ…!」

「---じゃあ来週、楽しみにしてますね。
またご連絡待ってます。」









そう言って




リビングにいるユカリは、その電話を静かに切ると

台所に戻ったのか

トントントン---と規則正しい包丁の音が聞こえてきて
俺は思わずそこへ 勢い良くリビングへ入っていった。








「!あ、圭斗。お帰りなさいっ。」

「………。」








俺の姿を見て、ユカリは一瞬驚くも
すぐに笑顔を浮かべて こちらを見る。





……何でそんな、余裕なわけ?








(俺が聞いてなかったとでも思ってんのか……?)









「…んだよ。」

「え?」

「っ---何だよ今の電話!!誰だよ!?」








───グイッ!








「きゃっ…?!」









俺はそう怒鳴りつけると


困惑しているユカリの腕を掴んで
自分の方へ引き寄せた。






そして





そのまま、噛み付くようにキスをする。








< 129 / 132 >

この作品をシェア

pagetop