嫉妬深い狼と同棲生活?!
「ただいまー。……ユカリー?」
ある日。
バイトから帰ってきて家に入ると
珍しくユカリの出迎えが無くて
俺は不思議に思った。
…寝てんのか?あいつ。
まだ9時過ぎなのに疲れているのかと思い
俺は少し心配になって
リビングに向けて足を進める。
───すると
「---私も好きですよ。」
「?!」
リビングに入る直前
ユカリのそんな声が聞こえてきて
俺は部屋の扉を開ける手が止まった。
……え?好きって…
(電話……?一体誰に……?)
それに、今の言葉は───?
そんな疑問が胸の中に広がって
俺はドクドクと心臓を鳴らせる。
「---ふふっ、はい。大好きです。」
「っ…!」
「---じゃあ来週、楽しみにしてますね。
またご連絡待ってます。」
そう言って
リビングにいるユカリは、その電話を静かに切ると
台所に戻ったのか
トントントン---と規則正しい包丁の音が聞こえてきて
俺は思わずそこへ 勢い良くリビングへ入っていった。
「!あ、圭斗。お帰りなさいっ。」
「………。」
俺の姿を見て、ユカリは一瞬驚くも
すぐに笑顔を浮かべて こちらを見る。
……何でそんな、余裕なわけ?
(俺が聞いてなかったとでも思ってんのか……?)
「…んだよ。」
「え?」
「っ---何だよ今の電話!!誰だよ!?」
───グイッ!
「きゃっ…?!」
俺はそう怒鳴りつけると
困惑しているユカリの腕を掴んで
自分の方へ引き寄せた。
そして
そのまま、噛み付くようにキスをする。