嫉妬深い狼と同棲生活?!




「では、ホームルーム終わります。
さよなら、気をつけて帰りなさい。」

「「「さよーならー!」」」




ホームルームが終わり
みんなが一斉に帰り始める。

するとさっちゃんがすぐさま寄ってきて



「ユカリ!濱崎さんもう来てるの?」

「う、うん!着いてるみたい…。」





と話す。

さっちゃんは見たことのない濱崎さんに
ウキウキしながら

どんな人か遠目から見守ってるから!!

と興奮していた。
もちろん、さっちゃんの手にはハタの腕。

帰るの一緒のついでにハタもお供させるらしい。






「とりあえず下駄箱行こうや。」





とハタの言葉で私達は教室出て下駄箱へ歩き出した。

ハタは
ついに本物のお披露目やなぁ〜
なんて言いながら欠伸をする。

さっちゃんは早く見たいなぁと
楽しみな様子。

私も早く濱崎さんに会いたい…。











下駄箱に着けば
いよいよ緊張が最高潮に。

心臓がバクバクと言い始めて
動きが少し挙動不審になる。




「もー!そんなに緊張しなくても大丈夫だって!最高に可愛いよ!」





とさっちゃんがバシバシと背中を叩いてくる。

うぅ…さっちゃんありがとう…。

と言いながら
3人で校舎を出て、校門まで歩き出す。




(----------あ…っ!)





そして。




校門の前にある道路の柵に
長身の男性が1人、腰掛けているのを見つけた。




-----ドキッ…




その姿を見つけて
私の心臓がさらに高鳴った。

さっちゃんとハタも気づいたらしく
その姿を見てわぁ…!と声を上げる。





「は、ハタ!!本物!本物だよあれ!!」

「わかっとるって。
…すげぇ…何かわからんけど、オーラあるなぁ…。」





と2人は言いながら、遠目で濱崎さんを見つめる。

濱崎さんは私にまだ気づいてないらしく
腕を組みながら左右を見渡していた。





「ほーら、行っておいで!」





とさっちゃんが私の背中をドンっと押す。

わっ…!と前のめりになりながらも
進んだ1歩を気に、私の足が緊張から解かれ
少しずつ前に進んで行く。




-------まだ、大丈夫。



まだ気づいていない。

大丈夫、大丈夫…。




と深呼吸しながら
更に少しずつ進んで行く。




…大丈夫。

…まだ、まだ気付かれてない…。




あと

あと少し…





(……………あ。)






校門まであと数歩
となった時に

バチッ、と濱崎さんと目が合った。



------ドキッ!



怖いと思うほどに
心臓が高鳴って、緊張が走る。


濱崎さんは私を見ながら
まだ何も反応を起こしていない。




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