嫉妬深い狼と同棲生活?!
少し大人っぽい方がいいかな…?
シンプルなのにすれば
まぁ間違いなさそうだけど…。
と私は店内を見渡しながら考える。
(…あ、このワンピース良いかも。)
私が目に付けたのは
ネイビー単色の半袖のワンピース。
今の髪型にも合うし
シンプルで大人っぽさもある。
値段もお手頃だし、
ワンピースなら一着で済むからこれにしよう。
でも一式ってことは…
(靴も、だよね。)
さすがに制服のローファーとじゃ変だもんね…。
服屋さんにある靴って高いからなぁ。
濱崎さんに負担をかけたくないし…。
(………あ。)
そう思いながら困っていると
ふと目についた
"SALE"
の文字。
その下にある靴は
靴下がなくても履けるパンプスだった。
しかも黒。
何にでも合わせられるし
このワンピースにもピッタリだった。
「それで決まり?」
「ひっ-------?!」
後ろから突然覗き込まれて
耳元で声が聞こえた。
思わず声を上げるも
犯人の濱崎さんは気にしていない様子。
か、顔が近い…!!
「は、はい…。」
「ん。じゃあ買おうか。
そのまま着替えちゃいな。」
と言って店員さんを見つけると
濱崎さんはすぐに会計を済ませて
私を試着室へと向かわせた。
「……濱崎さん、着替え終わりました。」
「ん。
……おぉ、大人っぽくていいね。」
お店の外で立っていた濱崎さんが
私の声で振り返ると
そう答えてくれた。
でも何と無く
濱崎さんからは良い雰囲気が漂っていなくて。
あれ…?と思いながらも
優しく笑う濱崎さんが歩き出すのを見て
私もその後ろ姿を追った。