嫉妬深い狼と同棲生活?!





少し大人っぽい方がいいかな…?


シンプルなのにすれば
まぁ間違いなさそうだけど…。



と私は店内を見渡しながら考える。




(…あ、このワンピース良いかも。)



私が目に付けたのは
ネイビー単色の半袖のワンピース。

今の髪型にも合うし
シンプルで大人っぽさもある。



値段もお手頃だし、
ワンピースなら一着で済むからこれにしよう。

でも一式ってことは…



(靴も、だよね。)




さすがに制服のローファーとじゃ変だもんね…。


服屋さんにある靴って高いからなぁ。
濱崎さんに負担をかけたくないし…。





(………あ。)





そう思いながら困っていると
ふと目についた

"SALE"

の文字。



その下にある靴は
靴下がなくても履けるパンプスだった。

しかも黒。

何にでも合わせられるし
このワンピースにもピッタリだった。





「それで決まり?」

「ひっ-------?!」




後ろから突然覗き込まれて
耳元で声が聞こえた。

思わず声を上げるも
犯人の濱崎さんは気にしていない様子。


か、顔が近い…!!





「は、はい…。」

「ん。じゃあ買おうか。
そのまま着替えちゃいな。」




と言って店員さんを見つけると
濱崎さんはすぐに会計を済ませて
私を試着室へと向かわせた。








「……濱崎さん、着替え終わりました。」

「ん。
……おぉ、大人っぽくていいね。」




お店の外で立っていた濱崎さんが
私の声で振り返ると
そう答えてくれた。

でも何と無く
濱崎さんからは良い雰囲気が漂っていなくて。


あれ…?と思いながらも
優しく笑う濱崎さんが歩き出すのを見て
私もその後ろ姿を追った。





< 27 / 132 >

この作品をシェア

pagetop