嫉妬深い狼と同棲生活?!
「…俺だけ見てればいいって、言っただろ。」
濱崎さんのその言葉が
静かに部屋に響き渡った。
(----------っ…!)
濱崎さんは昨日ことを覚えていた。
全く同じセリフを私に言ってきたのだ。
目を見開いてびっくりしている私の
腕から手を離して
ジリジリと私に近づいてくる。
私はその反射で後ろに下がれば
部屋のドアに体がぶつかって
行き場を無くす。
私を見下ろす濱崎さんが
壁に寄っかかるように私の顔の横両側に手をついた。
-------もう、逃げられない。
「…それとも、ユカリは俺じゃ不満?」
「っ……!」
目を細めて
色っぽく私にそう呟く濱崎さん。
その姿に
私の心臓は激しく動いた。
「…濱、崎さ…。」
「----------なぁユカリ。」
私が濱崎さんの名前を呼ぶと
濱崎さんは私の言葉を遮るように
言葉を続けた。
「…何で俺がこんなに怒ってるか、分かる?」
「えっ……そ、れは…。」
…正直、わかっていなかった。
昨日も何で怒られたのか
イマイチよくは分かっていない。
ハタのことで勘違いを生んだことや
たとえ親友でも控えるべき行動っていうのがあるのは分かったけど…
それに関して、なぜ濱崎さんがこんなに腹を立てているのか
それだけはよく分からなかった。
「その顔じゃ、分からない…って返事か。」
「…ご、ごめんなさい。」
「いや、ユカリが鈍感なのはよく分かってる。」
鈍感…。
私鈍感なのかな。
自分ではそんなこと思ってもないけど…。
濱崎さんは一つ息をつくと
体を屈めて
私に顔を近づけた。
(………っ、)
顔に彼の…息が、かかる。
「これは……俺の嫉妬だよ。」
彼の熱い目線が
私を逃がさず捉えていた。