嫉妬深い狼と同棲生活?!






ハタとの関係も元に戻って
いつも通りの安心した生活になった。

1時間目が始まって
少ししてから皆が話し始める。

その時に私たちも授業を聞きながらも話していた。






「最近どないなん?
例の"濱崎さん"とは。」

「あ…。」





---そうだ、まだ言ってなかったんだ。





ハタとのことがあり
さっちゃんだけにも言うわけにいかず
2人に報告をしていなかったのを忘れていた。



こんなタイミングだけど…ちゃんと言わなきゃ。



そう思って一息ついてから
口を開く。







「じ、実はね…
お、お付き合いすることに…なりました。」





と少し視線を逸らしながら
2人に小さな声でご報告。

しかし、2人は私の言葉に
少し黙っていた。



…あれ?2人共どうし---






「……えぇぇぇ?!?!」

「ちょ!小林声でかっ…!」





------ビクッ!!



さっちゃんが少しして
意味を理解したらしく、大声を上げる。

もちろん、今は授業中。

生徒が、先生が一斉にこちらを見た。







「-------小林さん。秦山くん。坂田さん。」






(ひっ…!!)






先生が真顔で私たちを見て
低い声で名前を呼ぶ。

さっちゃんとハタも
やっちまった、というような顔をしながら
静かに前に向き直す。






「…ご、ごめんなさい。」







先生に謝ると
先生はブツブツ私たちに言って
授業を再開した。



しばらくの間しーん…とした雰囲気が続く。






(ごめんね、変な時に報告して…。)






と心の中で2人に謝る。

さっちゃんを見れば
驚きすぎてボーッと前を見て止まっていた。

前の席のハタの様子は特にわからない。





(やっぱり、びっくりするよね…。)





私ですら信じられないのに
2人がビックリしないわけないか…。


この間初めてデートに行って
そこから急展開だもん。






(あのデートから、まだ少ししか経ってないんだよね…。)






まだまだ付き合ってる実感はわかないけど、幸せは十分に感じてる。





「おめでと。」

「…!」





不意にハタが少し後ろを向いて
私に小さくお祝いの言葉を言った。

そしてまた前を向いて
その時間はもう後ろへ振り向くことはなかった。



ハタの表情は
こちらからはよく見えなかった。







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