マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
あー!めんどくさ!

「だったら、空いてる左手で何とかできませ
んか?昔の漫才師みたいな、怒るでしかし!
みたいに上げればいいじゃないですか。」


「無理だよそんなの。集中出来ないよ。
…ってだから何でいちいちそんな古いの知って
んのさ?」


「祖母が好きで良く一緒にビデオ観てたんで
す!」


……疲れる。

出発前に持ち物一覧表作った努力って、一体な
んだったんだろ…。
頭を抱えたくなった。


姉が隣のスイスに暮らしている事もあって、フランスに来ること事態は、そんなに構えた事ではない。


ただし、今回は仕事だ。
梁瀬さんには、別に気にするなとは言われたけれど、叔父さんには常任の指揮者として売り込む事を頼まれている。


梁瀬さんは頼りないし、やっぱり私がしっかりしてないと。
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