マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「あー。そっか。」(仏)

うーん。この仕事じゃなくても、よくある話だろうけれど。

「じゃあ今度また、同じ音楽やってる人を選
んでみたら?うちの楽団員も独身の人がチラ
ホラいるようだし。おすすめだよ。」(仏)

それに対しては、アーデルハイトさんは薄く笑う程度の返事だった。


それから、先刻の協奏曲の気になってた部分について話し合ったり、僕が留学していた学校に
個人的に教えてもらいたい先生がいるから、今でもちょくちょく行ったりしているだとか、今度ベートーヴェンのヴァイオリンソナタを録音
するから、アドバイスしてくれとか色々と話が盛り上がった。


食事も終わり、ホテルまでアーデルハイトさんを送っていく事になった。

「今日はちょっとアレだったけれど、近いう
ちにまた食事に行かない?続けてたら、あの
マネージャーさんも何か変化してくるかもよ
。」(仏)

「ホント?助かるよ。こんな事頼める人なん
ていないし。ありがとう。」(仏)


そう言って、明日の本番も宜しく、と別れた






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