マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
もういっそ、大学の先生に個人的に教えて貰うという手もないだろうか。
その時は、灰谷先生にどなたか紹介して頂くとか。

(……………………。)


画面を見つめる目からは、何も入ってこない自分に気付く。


………私、取り合えず留学すれば何とかなるって思ってないだろうか。

行くからには、必ずや自分の糧となると思うし
そうできるよう懸命に努力するだけだ。

逃げる訳じゃない。絶対に。

例え結果が、自分の思い描く通りにならなくても、やれるところまでやってみたい。
やりきったという、実感が欲しい。

再び、何かがよぎる。


じゃあ、想い出作りをしたいだけ?


違う!
慌てて頭を振る。

違う。そんなんじゃない。

先の見えない不安からか、次々とコントロール出来ない感情が沸き上がってきた。

誰かに何か言って欲しい。
頑張れ応援してるよ、でも、やるだけ無駄だ、の一言でも良い。
私の事を誰かが見てくれているという事実が欲しい。



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