マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「ユーヘイ!お疲れさま!」(独)

入ってきたのは、アーデルハイトさんだった。

「アーデル!どうしたのさ。」(独)

「私もボストンで公演あったの。で、ユーヘ
イがマーラー指揮するって聞いて、聴いてみ
たくて来ちゃった。」(独)

「へー。そうだったんだ。わざわざありがと
う。」(独)

「凄く良かったわよ、演奏。食事でもどう?
感想言わせてよ。」(独)

「あ、そう言えば、君にはお礼言わなくちゃ
ありがとう。」(独)

「お礼って?」(独)

「前に言ってたろ?片想いしてるマネージャ
ーいるって。彼女とうまくいって付き合う事
になったんだ。」(独)

「……え……?」


あーやっぱこういう報告なんて、恥ずかしいな
と思いながらも、アーデルには色々と協力して貰った手前、しっかりしとかないとね。


「だからさ、もう一緒に食事なんてデートま
がいの事をわざわざしてもらわなくても、大
丈夫だから。」(独)

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