マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
演奏会が終わってからこちらに直行したのか、スーツケースこそ無かったが、アーデルは荷物と楽器ケースを持って来ていた。
うっ、売ればいいって!
自棄になっているとは言え、有り得ない。
アーデル個人の物ならともかく(それでも多いに問題はある…)、財団や企業、資産家なんかから貸与して貰っている物だったりしたら、えらい事だ。
使ってる楽器はストラディバリウス、カテドラルだとか言ってたから、おそらくそうだ。
入り口近くに置いてある楽器ケースにちらりと目を落とす。
……最悪だ……、ホント有り得ない!
頭をかきむしる。
おそらく億単位の値はするであろう楽器が入ったケースを、子供を抱き抱える様にして抱え、僕はアーデルの後を追いかけるべく、部屋を飛び出した。
あ。しまった。燕尾服のままだった。
やけにすれ違う人達にチラチラ見られているな
とは思っていたが、そうだった。忘れてた。
いくらここがNYだからって、エンターテイメント、ショービジネスの街だからって、こんな格好では目立つ。
でもまあ、仕方ない。
うっ、売ればいいって!
自棄になっているとは言え、有り得ない。
アーデル個人の物ならともかく(それでも多いに問題はある…)、財団や企業、資産家なんかから貸与して貰っている物だったりしたら、えらい事だ。
使ってる楽器はストラディバリウス、カテドラルだとか言ってたから、おそらくそうだ。
入り口近くに置いてある楽器ケースにちらりと目を落とす。
……最悪だ……、ホント有り得ない!
頭をかきむしる。
おそらく億単位の値はするであろう楽器が入ったケースを、子供を抱き抱える様にして抱え、僕はアーデルの後を追いかけるべく、部屋を飛び出した。
あ。しまった。燕尾服のままだった。
やけにすれ違う人達にチラチラ見られているな
とは思っていたが、そうだった。忘れてた。
いくらここがNYだからって、エンターテイメント、ショービジネスの街だからって、こんな格好では目立つ。
でもまあ、仕方ない。