マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「誤解です!誤解なんです!全部私が悪いん
です!」

「Was?」

急に肩を捕まれてアーデルはびっくりしているようだった。

「奏ちゃん、彼女ドイツ人だから。
独語か英語か仏語で喋らないと、伝わらない
よ。」

「ええっ?!慌ててる時に変換なんてできま
せんよ!えーっと、あーもう、兎に角、マエ
ストロと私、何も無いです。お酒、酔っ払っ
た私に付き添ってただけ、です。」
(途中から英語)

「え、何の話?貴女、ユーヘイが言ってた
マネージャーなの?」(英)

「酔っ払ってたって、いつの話?」(英)

すると奏ちゃんは、チッと舌打ちし、良いから
話を合わせてください、と日本語で言う。

「その日の公演終わって、オーケストラスタ
ッフの家にご馳走になって、酔っ払った私、
迎えに来てくれたんです。で、気分悪かった
私に付き添ってくれて。」(英)

奏ちゃんは懸命にアーデルに伝える。

「一緒の部屋でした、けど、マエストロ浮気
してません。
アーデルさんに誤解、させる様な行動、ゴメ
ンなさい!私とマエストロ、何もありません
でしたから。」(英)



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