マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「……何も無い?」(英)

「そうです!私達仕事の繋がり、えーと仕事
のお付き合いだけです。やらしい、じゃなか
った、やましい事、ありません。だからマエ
ストロと別れるなんて事、しないでください
!」(英)

「はっ?!ちょっと待って!
別れるって誰と誰が?それに僕らは仕事上
の関係だけじゃなくて、それ以上の関係……
「わああっ!話合わせて下さいって言いました
よね!しかもご丁寧に英語で喋ってるし!」

「知ってるわよ。あなた達、男女の関係なん
でしょ。その位分かるわ。」(英)

「ほらぁっ!言わんこっちゃない。黙ってい
ればバレなかったのに。なんでわざわざ英語
で話したりしたんですか!もー!謝ってくだ
さい。土下座でもなんでもして、許してもら
って下さい!!」

「謝るって何を。」

「何なら私も一緒に謝ります!あれはほんの
浮気だ、犬が電柱に小便引っ掻けたみたいな
ものだからって謝りましょう?」

しばらく奏ちゃんの勢いにのまれていたが、段々と分かってきてしまった。

「第一、お二人が付き合ってたなら付き合っ
てたって言って下さいよ!知ってたならこん
な浮気の片棒担ぐ様な事……」

「待った!」

あまりの恐ろしい勘違いに、身体が震えてきそうだ……。
まさか。

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