マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
公演を終えて、新幹線で東京へと向かう。
土曜日なので昼公演だった。
夕方すぎには着くことが出来るだろう。


「折角だから夜ゴハン食べに行こうか。」

「え。」

「奏ちゃんは、何食べたい?
お肉より、お魚の方が好きだっけ?」

「えーと…。」

「予約しておけばよかったね。」

「…あ、あーっ!そっそそそういえば思い出し
ました!
姉が久し振りに帰ってくるんです。
で、家族で食事しようって…。」

「えーそうなんだ。」

ちえっ。やだなー。
…待てよ…。

「それ、僕も交ぜて貰うっていうのは無理か
な?」

「…は…?」


「奏ちゃんには仕事上の付き合いで、凄くお
世話になってるし、一度ご挨拶しといた方が
良いとは思ってたんだ。
同じ業界だしね。」

「…。」
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