生徒会長と恋の罠


「--‥‥大和、」

成瀬くんの冷たい声が、柊くんの名前を呼んだ。騒がしかった生徒会室が一瞬にして静かになる。


「‥‥分かりましたよ」

ミオリさんイジメは後にします、と柊くんは"やれやれ”といった感じで私から離れていった。

‥‥た、助かった。いや、助かってないよ。あの悪魔"後にします”とか言ったよね。

後で何が起こるの‥‥!?


だからそんなことを考えていた私には、



「ハルちゃん嫉妬だねー」

「悠は本当に分かりやすいよね」

「どっかの鈍感には分からないようですが」

「‥‥うるさいよ、お前ら」


彼らがそんな会話をしていたことに気付かなかった--‥‥
< 19 / 62 >

この作品をシェア

pagetop