生徒会長と恋の罠



「確かにねー。ゆーくん料理大好きだからねぇ」


「そういう立花くんも、部活はどうしたんですか?」


「え、オレ?オレは‥‥‥‥あ、そうそう!ほら、仕事溜めてからそろそろ片付けないとなーって」

「ふーん‥‥?」

「ちょっと、なにその疑いの眼差し!?」


立花くんだって部活のことがあるから暫くは来ないだろうと思っていた。

一週間に一度来るか来ないかの立花くん。だからいつも成瀬くんから強制的に連れてこられるのに、今日は珍しく自分からここに来たみたい。



「ほら、皆さん日頃の行いのせいで疑われてますよ」

「一番疑わしいの柊くんだよ」

「え?どこがですか?」

「‥‥やっぱり何でもないです」


にこりと笑う柊くんに、口元が引きつった。

いつも放課後は女の子と楽しいことをしている貴方が生徒会室にいるなんて一番疑わしい、とは流石に言えなかった。

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