生徒会長と恋の罠


「‥‥じゃあ、行ってくるから」

「‥‥ちゃんと会議までには戻ってきてくださいね」


そう言って椅子から立ち上がった僕の意図に気付いたのは、大和だけ。


「お、オレも‥‥っ」

「香瑠はお留守番だからね」


どうやら結人も気付いていたらしい。僕と目が合うと「ミオリちゃんに」と水色の紙袋を渡された。



「‥‥なにこれ」

「それミオリちゃんの好きなのど飴と、ハチミツ入ってるから」


最近のど飴痛いって言ってたんだよね、と結人。



「過保護すぎ」

「悠ほどじゃないよ」

「‥‥‥‥‥‥」


僕は別に、過保護じゃない。
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