生徒会長と恋の罠


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「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥」


保健室までの廊下を吉野とふたり並んで歩く。
彼女は僕の素顔を知っているうちの1人でもある。

時折、女子生徒に名前を呼ばれ手を振っていると隣の彼女は怪訝そうな表情でこちらを見てくる。


「‥‥相変わらず、好ましくない笑顔ね」

「お褒めいただき、ありがとうございます」


わざとその笑みを浮かべたら、ますます嫌な顔をされた。舌打ちつきで。




「‥‥美織のこと傷付けたら、許さないからね」


その言葉に足をとめた。

彼女は怒るわけでもなく、睨んでくるわけでもなく‥‥ただ僕を試すように見てくる。
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