生徒会長と恋の罠




「‥まっ‥‥悠く、ん‥」



彼はどんどん廊下を突き進んで行く。それでも決して手を離すことはない。

頭にかぶっていたブレザーをとった時には、生徒会室の前にいた。




「‥‥悠、くん?」


急に立ち止まった悠くんに声をかける。



「はる、」

「--ごめん、頭冷やしてくる」

「ぁ、」




繋いでいた手が、離される。



悠くん、と名前を呼んだのに彼は振り向くことはなかった--‥‥



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