生徒会長と恋の罠
悠 side
---ガチャ、
「おや、悠だけとは珍しいですね」
「‥‥大和」
生徒会室のドアが開かれ、入ってきたのは副会長で幼なじみでもある柊 大和(ヒイラギ ヤマト)。
ノンフレームの眼鏡をかけ、人の良さそうな笑みを浮かべる幼なじみの被害者を一体どれだけ見てきたか。
「‥‥さっきまでミオがいた」
「!ミオリさんがですか?」
早く用事を済ませてくるべきでした、と少し残念そうな表情をする。
「今度会ったら(眼鏡)割ってやるって」
「クスクス‥‥本当に元気がよろしいようで」
「‥‥あんまりイジめるなよ」
そう言えば、一瞬きょとんとした顔をする大和。本当に一瞬だったけど。
「悠のお気に入りですもね」
「‥‥"お前ら”のお気に入り、の間違いでしょ」
アイツ‥‥厄介な奴らに気に入られすぎ、と内心溜息をつく。
そして大和の視線から逃れるように仕事を再開した。