元通りになんてできない
「あの、…お風呂から出たら、あのね、スッピンになってしまうから、…暗くしといて欲しいの」
「あ、あ、…そういう事ですね。
ビックリしましたよ。いきなり明かり消してなんて言うから。ドキドキさせないでくださいよ。
了解です。真っ暗だと危ないから、これ、ちっちゃいやつだけ点けときますよ?」
「うん、有難う。じゃあ、お風呂いただいて来ます」
「あ、お湯はそのままで。母さんが頃合いをみて入ると思うから」
「解りました」
部屋を出て階段を降りた。
あー、…ビックリしたぁ……。おどけて平静を装ったけど、流石に明かりを消してにはビビった。
スッピンか…。いきなりだもんな、泊まる事になったの。やっぱり、気にするだろうな…。俺は気にならないけど。
本人が思うほど、変化ないと思うけどなぁ。化粧薄そうだし。
ま、本人が気になるんだから仕方ないか。
………こういう場合は、俺はベッドでいいよな。
使ってたのは俺だから。
しかし…、母さんも大胆な事してくれるよな。
客間だってあるのに…。二人で同じ部屋に寝させるとは。
今更、客間に移動もおかしいし…。
参ったな…。
おわっ、階段上がって来てる。出たんだ。
明かり、明かり。
消しとかないと…。