元通りになんてできない
三者三様
ふぅ…、車の後部席、慌てて…、乗せて寝かせて。俺としたことが…、あんなに取り乱したりして…。自分が自分じゃないみたいだった。
必死になるって…。
何が…、俺だって血気盛んな若僧と同じだな…、はぁ。
とにかく、助かって良かった。
俺は…、近づき過ぎたな。鷹山にも、幸元にも。
鷹山への気持ちは、口に出さないつもりでいたのに…。
これでは幸元が過剰に、プレッシャーだと気にするのも当たり前だ。
好きなだけだ、とか言いながら、鷹山に触れたいと思ってしまう…。
俺こそ大人気ない。
しかし、家で倒れている鷹山を見つけた時は、心臓が止まるかと思った。
医者じゃないから…、解らないし…、駄目なんじゃないかという思いが過ぎってしまった。
助かって良かった…。
失うという、悲しい思い、…鷹山に二度とさせたくなかったから。
鷹山がしっかりしているから、幸元が余計頼りなく見えてしまって…。
年下でも、しっかりしたやつは、しっかりしてるんだが…。
頼むぞ、幸元。泣かせるような事、ツライ思いをするような事にならないように、しっかりしてくれ。
ただ一緒に居たいだけじゃ駄目なんだ。頼む。
鷹山が言うように、大事なところでは大人になってくれ…。
そうじゃないと…、本当に俺は…、もらっちまうからな。